こんばんは!
RTCです!!
最近、全国の技師さんたちとこのテーマについて話しましたので過去の記事を復活させました!!
以下、再掲載です!!
※写真はphotoACから購入した(サブスク)画像です
今回はMRのお話し!!
モーションアーチファクトとの付き合い方についてです!!
MRを撮影する技師にとってこれは命題です。
良い画像を撮るべく、いろんな参考書や文献を読み漁って、いろんなことを試して、いろんな工夫を重ねて、行き着いた先の画像には思い入れがある!という方も少なくないのではないでしょうか?!
いろんな考え方があると思いますが、私の施設での一例についてご紹介させていただきます。
MRIの撮像とはアーチファクトとの戦いです!!
敵(アーチファクト)は雑魚から絶対強者まで様々ですが、モーションアーチファクトはなかでも最多登場なのではないでしょうか?!
モーションアーチファクトはどんな部位にも、どんなシチュエーションでも起こりえます。
こいつを飼いならすということは、いわば戦いの基本であるともいえます。
そこで知ってて得するのがES(エコースペース)!!
ESとはFSE法の場合、1つのTR内での180度再収束パルスの間隔。つまり受信する信号の位相差の量であるといえます。
位相差、ESが少ないということは、モーションアーチファクトが少ない!ということにつながるのです!!
メーカーによってはETL(エコートレインレングス)と表記されますが、これはエコーの数でESとは反比例する、つまりETLが高ければESは短くなるというわけです。
ちょっと難しい話になってしまいますが、MRをやる上でここは避けて通れない領域です。
参考書などのFSE法について読むと書いてありますが、オススメの勉強法は!!
『実際の画像とパラメーターを見ながらアプリケーションと電話で話す!!』、これが一番理解し易いかと思います!
アプリの方々はMRIのスペシャリストですし、当然同じ質問を沢山されてますから、解り易く親切に教えてくれます!!
では実際にどうやってESを縮めるか?、ということですが。
一番簡単なのはETL(TSEファクター)を増やせば、ESは短くなります。(スタートアップエコーを入れる場合の原理も一応同じです)
具体的に言えばESは10ms以下、欲を言えば7ms以下がアーチファクトには強いと思います。
ですがETLを増やし、ESを短縮するということは、画像のボケ(ブラーリング)を助長するということになります。
つまりTSEファクターを増やすと、ボケ(ブラーリング)が顕著になり、強調すべきコントラストが低下するということです。
ただ一番重要なのは、数値としてコントラストが良いから良い画像なのではなく、
診断するに事足りるコントラストとその分解能のバランスがより大切です。
コントラストとモーションアーチファクトはある意味、トレードオフなのです。
もう一つの手法として。
部位によってはprofile orderを『asymmetric』にしています。(profile orderとはkスペースを埋める順番のことです。)
骨盤(子宮/T2SAG)のパラメーターを載せました。(一枚目の画像のもの)
asymmetricは任意にesを設定することが出来ます。
モーションアーチファクトを抑える部位やシーケンスによってはETL(TSEファクター)を上げずに、こちらにしたほうがよい場合があります。
これに関しては目的や撮影部位、装置によって様々なのでここでは割愛しますが、つまりesを短くするための手法です。
上記のシーケンスのesは6.0msと非常に小さく設定できましたのでモーションアーチファクトに強いシーケンスといえます。
しかしこの手法もメリットばかりではありませんので、最終的には画像を見ての確認になります。
やはりコントラストとアーチファクトのトレードオフになるかと思います。
いかがでしたでしょうか?!
MRIにおいてアーチファクトとの戦いは。
診療放射線技師の腕前による部分、と言っても過言ではありません。
もちろん画像の質に関しては医師との話し合いが必須です!!
一緒に考えてみませんか??
ここはそういうコミュニティです^^
モーションアーチファクトを飼いならしてより良い画像に!!
参考にしていただけたら幸いです。
ご意見、ご質問あればお問い合わせまでお願いいたします!!
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