こんばんは!!!
RTCです!!
今回は再掲載です!!
こちらの記事に対する反響を予想以上に頂けたので^^
視聴してくれた方の施設のマニュアル作成の資料にしていただけたりしてます^^
今回紹介している方法は数年前のものです。
コイルがアナログです。
デジタルコイルを使用している施設では、完全に同じことはありません。
しかし、述べさせていただいている内容の要旨は、すべての臨床において共通している部分が多いです。
参考にしていただけたら幸いです。
では以下、再掲載です!!
こんにちは!
上肢関節を撮影する際に大切なことって何だろう?!というテーマの元に、RTCメンバーがお話をしましたのでご紹介いたします!!
撮影技術って聞くとちょっと難しい話な感じがします、、、。
シーケンスや、パラーメーターや、スライスの切り方・基準など。
要するに、画像の写し方、を想像する方が多いと思います。
はい。
確かにそれらも撮影技術です。
そして重要な部分です。
ですがそれらを決めるのって装置あるいは検査の導入時、もしくはそれらを変更・決定する権限のある人にこそ必要になる場合が多いのでは?!
シーケンスのパラメーターを検査ごとにいじることはあまりないでしょう。
スライスの設定基準も、しっかり決まっていれば毎回そこまで悩まないでしょう。(意味を確認するのは大事)
毎回検査毎に必要な撮影技術とは?
それはずばり。
『 ポジショニング!! 』
これでしょ。
というわけで。
スライドの説明を文章で入れると長くなってしまうので、スライドの合間に入るブログ文章は概要だけにします。
本質的な内容についてはスライドを参照してください!!
画像をクリックするとフォトギャラリーでスライド大きく閲覧できるはずです!!
< 肩関節 >
ポイントは以下。
上肢を軽く牽引する。
コイルを狙って張る。(サーフェイスコイルの場合)
コイルを浮かせない。
前腕を若干上げて(肘を若干曲げて)固定する。
踏まえてスライド見てみてください。
※使用している砂嚢はMR専用のものです! !!!くれぐれも一般撮影などの砂嚢は使わないでください!!!!
肩関節における検査目的で最も多いのは腱板部に関する精査です。
写すべき画像のことを考えながら腱板部を意識してコイルを設置します。
感度の良いSコイルを主目的である腱板部に張り、Mコイルで前後からはさみます。
この時どうしてもコイルが浮いてしまうのでバンドで固定するだけでなくタオルで肩を包むように押さえ込みます。
安定してSNRが得られます。
上肢を下方に軽く牽引して、肩を内転しないようにし、前腕を回外した状態で砂嚢を乗せて固定します。
これで完成です。
診断上重要なT2/FSの為にもポジショニングでSNRを稼ぎたいところです。
尚、外症例には3D撮影を行っています。
肩関節には靭帯や腱組織が複雑に重なり合っているので、細かいスライス、そしてMPRでの観察がそれらの連続性を確認するのに適しています。
他には膝関節、足関節などにもオススメしています。
関節の3D撮影にフォーカスしたお話は、後日改めてご紹介したいと思います!!
< 肘関節 >
ポイントは以下。
上肢を軽く牽引する。
コイルを狙って張る。(サーフェイスコイルの場合)
前腕を若干上げて(肘を若干曲げて)固定する。
SAT PADで身体との隙間を埋める。
踏まえてスライド見てみてください。
肘関節でもっとも主訴、所見が多いのは内顆外顆部です。
そこに感度の良いSコイルではさみます。
オススメする固定具は駆血帯です。
これでまず固定。
そしてMコイルで前後を挟んで、再び追加の駆血帯で固定します。
肩関節と同様に、上肢を下方に軽く牽引して、肩を内転しないようにし、前腕を回外した状態で砂嚢を乗せて固定します。
この時、体幹に直接肘が触れないようSat Pad(BB弾)を挟みます。
これで磁場の均一性の改善と、呼吸によるアーチファクトを低減できます。
これで完成です。
稀に肘が伸ばせないケースがあります。
そんなときは屈曲した状態で内顆外顆にSコイルを張った後、肘頭側をMコイルの穴に差し込みます。
肘前面にもMコイルを一応張り、駆血帯で固定します。
手部を鼠頚部に持って行き、タオルと砂嚢そして寝台のバンドで固定します。
この時、腹部で固定してしまうとモーションアーチファクトが出ます。
肩の上にも砂嚢を置くとよりアーチファクトを押さえられます。
< 手関節 >
当院でのポイントは以下。
うつ伏せで撮る!
なんといってもこれです。
オフセンターから脱却させようというコンセプト。
専用コイルですが、やはり中心で撮れたにこしたことないです。
踏まえてスライド見てみてください。
手関節では骨や腱鞘などの評価をすることが多いです。
当院では感度や磁場均一性、そして固定を良くする為、うつ伏せを基本のポジションとしています。
その為に体位と肢位の保持がしやすい状態を作ります。
うつ伏せはつらいと思われがちですが、クッションの高さと腕の角度を調整すれば、つらさで体動が出てしまうことは稀です。
被験者に寝心地を伺い、大きな妥協をしないことが大切です。
肝心な手関節の固定ですが、ポイントはコイル内に隙間を作らないことです。
手掌側にタオルを軽くつめて、コイルを閉じる際に手背側からもタオルを挟んで固定します。
きつすぎない程度にしっかり入れます。
ややしっかり目の方が肢位の保持が楽だったという方が多いです。
以上です。
<まとめ>
上肢の撮影は他の部位より比較的大変です。。。
SNRは得られにくいし、それに反して分解能は必要だし、磁場の均一性は悪くなりがち。
それらを払拭するのがポジショニングです!
様々なポジショニング技術があれば安定した検査が行えます!!
撮るべき目標を意識して、画像の質を向上させるようにポジショニングを行いましょう!!!
いかがだったでしょうか?!
皆さんのMRIのポジショニングについて考えるきっかけになったら嬉しいです。
ポジショニングが上手に決まれば、
・ SNRが得られます。
・ アーチファクトが減ります。
・ 得なければならない情報を落としません。
というわけで。
ポジショニングは文句無く、万人に必要な 『 撮影技術 』 です!!!
明日からの検査の参考になりますように。
失礼します。
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