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★★【 画像処理と仲良くなろう その3 】 症例から見る画像処理の恩恵

 

 

 こんばんは!!

 

RTCです!!

 

今回も昨年検索ランキングが急上昇しました

 

『 画像処理について! 』の記事を再掲載したいと思います!!

 

一部リライトしております。

 

 

今年に入ってから突然大好評となったシリーズ第3弾!!

 

今回がついに感動の完結編!!ww

 

 

以下、2019.11.20記事の再掲載です!!

 

 

当ブログ初の3部作となった 『 画像処理と仲良くなろう 』 シリーズ!!

 

 

私がいかにこのテーマが好きか?!が分かっていただけると思います(笑)

 

でも今回はそんなに長くないので、どうか最後まで見てやってください!!

 

 

それでは第3幕のはじまり~。

 

 

 

※画質は臨床科の医師とよく話をして調整しましょう 

 

※読影という表現が一部スライドに出てきますが、正確には医師の画像診断における行為です。この場合は、技師における読影補助という意味で使用しています。

 

 

 

 

 

マンモグラフィで症例と画像処理を見ていきます。

 

ちなみに処理は、周波数処理(以下MFP)、ダイナミックレンジ圧縮処理(以下DRC)の両方がかかっていて、その強さを変化させています。

 

一つ目はDRCが効果的(MFPも)だった症例。

 

左右差がある乳房ですが、処理(無し)、処理(中)、処理(強)で比較するとこれほどまでに見え方が違います。

 

原因はこの被写体の乳腺が厚く、スキンライン周辺との濃度差が大きいことが挙げられます。

 

さらにその背景の中に病変が埋まっているとなおさらです。

 

処理(無し)の状態の画像で見落とし無く読影出来るといえる勇気のある人はいないのではないでしょうか?!

 

もちろん読影環境にもよりますが、WWやWLを変更したりする手間がかなりかかることは間違いありません。

 

 

 

 

 

 

次の症例はMFPが病変を表すのに効果的な例です。

 

いわゆるスピキュラ、構築の乱れといった類の所見です。

 

処理の強度を変化させると線状の構造物を視認し易くなっていることが分かります。

 

ですがMFPを強くするだけで必ずしも見易くなるかといえば、答えはノーです。

 

MFPは一定の周波数帯出表現される構造物は強調できますが、濃度差つまりコントラストには関与しません。

 

画像で言う輪郭の見易さとコントラストは別物です。

 

しっかりと病変もしくは関心領域に注視した、S値とL(G)値(その1参照)を当ててやれば、病変の辺縁などを評価するのに適したコントラストが得られます。

 

適正な白黒がついていることの方が遥かに重要です!!

 

どんなときも基本を忘れてはいけないということです!!

 

 

 

 

 

 

忘れてはいけない大事なことの一つ。

 

周波数処理は輪郭を強調し画像を見やすくしますが、少なからずノイズも強調します。

 

増えすぎたノイズは石灰化の判定、判断を難しくします。

 

微小な石灰化が診断のポイントになるマンモグラフィではその影響は顕著です。

 

処理のバランスを考えなければ誤診を招く結果になるかも知れません。

 

それらのデメリットも十分に考慮しトレードオフを行わなければなりません。

 

 

 

 

 

 

 

番外編です。

 

画像処理の恩恵を十二分に受けれる検査がこれではないでしょうか?!

 

婦人科における妊娠後期の妊婦さんに行う骨盤計測撮影。

 

整形外科における脊椎全長撮影、そして下肢全長撮影。

 

これらは計測を目的とした撮影ですから、極端な話白黒のコントラストはいらないわけです。

 

それよりも構造物の<輪郭がシャープ(周波数処理)で、濃度差がある部分でもちゃんと表現(ダイネミックレンジ圧縮処理)されている画像の方が都合がいいのです。

 

もちろんこの場合も、臨床科の医師とよく話をする必要があります。

 

 

 

 

 

最後にひとつ。

 

画像処理について改めて考えてみて、たぶん知れてよかったことがあります。

 

 

 ・ 画像処理とは病気を見つけるための武器です。

 

 ・ それを有効に使えるのは我々技師です。

 

 ・ そしてやはり基本が大事です。

 

 

普段の仕事に、それらが持つ目的をいつもより少しだけ意識して、基本に忠実に積み重ねようと思いました。

 

すごいこと、大事なことをやっているんだなって。

 

 

 

意思と意図を感じる画像を撮れ!!

 

私のお師匠様が昔言っていた言葉です。

 

画像処理はそのために私の味方になってくれています。

 

 

 

※繰り返しですが、画質は臨床科の医師とよく話をして調整しましょう 

 

※読影という表現が一部スライドに出てきますが、正確には医師の画像診断における行為です。この場合は、技師における読影補助という意味で使用しています。

 

 

 

 

 

はい!

 

以上です!!

 

 

初の3部作いかがだったでしょうか?

 

最後の話がいらない!と後輩に言われそうですが自分的には書かせて欲しい(笑涙)

 

私の推しメンである画像処理!!

 

また折を見て書きたいと思います。

 

 

みなさんも画像処理と仲良くなれそうな気がしてきましたか???

 

すこしでも興味を持っていただけたら幸いです。

 

 

ご意見、ご感想をいただけたら嬉しいです!!

 

 

 

 

関連記事は以下より!!

合わせて読んでもらうと理解が一気に深まると思います!!

 

パート1はこちら!!

『 画像処理と仲良くなろう その1 ~ 画像の基本!S値とL(G)値 ~ 』

 

パート2はこちら!!

『 画像処理と仲良くなろう その2 ~ 周波数処理とダイナミックレンジ圧縮 ~ 』

 

 

 

※繰り返しですが、画質は臨床科の医師とよく話をして調整しましょう 

 

※読影という表現が一部スライドに出てきますが、正確には医師の画像診断における行為です。この場合は、技師における読影補助という意味で使用しています。