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MR 「3T(テスラ)1台でやっています」

 

 

こんばんは!

 

RTCです!!

 

2020年一発目です!!!!

 

 

記念すべき今回は、RTCメンバーの一人。

 

○○山さんに3TMRIの運用について聞いてみました!!

 

テーマは勉強会などに行くとしばしば聞くこれです。

 

 

『3T一台でやってるんですけど大変なんです・・・。』

 

 

そこでリアルな現場のお話を伺ってみたのでご紹介させていただきます!!!

 

それではーどうぞっっ!!

 

 

 

 

 

今回はMRIの運用に関してお話します。

 

 

 

私の施設では数年前にMRI装置を更新しました。

 

 

個人的にも機器の選定から関わらせて頂いたのですが、古い1.5T(テスラ)から最新の1.5T-MRI装置を希望しました。

 

 

ところが色々な諸事情が重なり、何故か3T-MRIが導入されることに!

 

 

私の施設では1台しかMRI装置は置けないのに…

 

 

 

「体内金属の適応を見直さないと…」

「先生や看護師さんに説明しないと…」

 

「吸引事故が起きやしないか…」

「緊急や時間外のMRI3テスラでやらないと()

 

 

といった状況でした。

 

 

 

同機種のある施設を見学させて頂いたり、MRIの安全性に関するセミナーに参加したりと…

 

 

安全管理を見直すためにとにかく情報収集しました。

 

 

ちゃんと調べてみると新たな改善点がいくつもあり、逆に今までの管理の甘さを恥ずかしく思う程でした。

 

 

 

改善策を大きく分けて3つのテーマで行いました。

 

  1. 検査室では事故を起こさないこと

  2. 先生や看護師さんに理解してもらうこと

  3. 体内金属の安全性再考

 

です。

 

 

当たり前のことをお話するかもしれませんがご容赦下さい。

 

 

 

 

 

1.

 

検査室の安全対策です。

 

 

MRI前室の制限区域を区分けしました。

 

 

ゾーンを患者の進入経路から順にⅠ~Ⅳとすることを日本画像医療システム工業会(JESRA)が推奨しており、

 

 

患者さんやスタッフが立ち入る制限を設けて、画像①②のように標示を貼りました。

 

 

また、画像③~④のように入室前のチェックリストを前室(準備区域)に掲示しました。

 

 

スタッフ用,患者用と用意して、視界に入ることで注意や関心が向くように工夫したつもりです。

 

 

以上は持ち込み金属による事故を防ぐ対策です。

 

 

 

 

 

 

2.

 

次に院内のスタッフにもMRIの安全対策に一役買ってもらおうと思いました。

 

 

スタッフに分かってもらうこと…つまり日々のMRI検査の安全対策ってこれだけ大切なんだよ!と同調してもらう(味方につける)ことだと思います。

 

 

 

「×○△講習会」などを定期的に開催することも大事ですが、やはり実地研修を行う「磁場体験研修会」は好評でした。

 

 

実際にMRI室で、入室する際の持ち込み注意携帯品,ロケット効果の実験,MRI対応の車椅子やストレッチャーの使用方法などを説明しました。

 

 

また、当院ではMRIを受けるには患者さんに同意書をとっていますが、それぞれ問診する項目の理由についてはMRI担当者でなければ分からないと思います。

 

 

「何で内視鏡やコンタクトレンズのことを聞かないといけないの?」と疑問に思いつつ、患者さんに説明することは少し難しいことかもしれません。

 

 

そこで、各項目の解説資料を画像⑤のようにファイリングして各診察ブースに置いてもらっています。

 

 

画像⑥一例です。

 

 

他の内容には、体内金属の判断基準,MRIの事故事例などを掲載しています。

 

 

MRIの安全管理は放射線技師だけで行うのではなく、なるべく情報を共有して院内全体で取り組むことが理想的と考えています。

 

 

 

 

 

3.

 

体内金属について話します。

 

 

1.5テスラから3テスラに静磁場が変わったことがきっかけですが、院内で使っている医療器具について添付文書を調べると新たな事実が判明しました。

 

 

詳しくは掲載出来ませんが、胃管,気切チューブ,尿道バルーンなどは構成部品の一部がMRI不可もしくは撮像時注意と記載されていました!

 

 

不可に該当する物は院内通知で、注意が必要の物は内容を操作室に掲示し担当するスタッフには周知しています。

 

 

特に内視鏡用の結紮クリップ(画像⑦)についてふれておきます。

 

 

私の施設で使用されていた物はMRI禁忌と明記されていましたが、数年前に改訂され現在は添付文書上ではMRI検査可能とのことです。

 

 

3テスラでも可能との内容でしたが、少し疑問に思い簡単な実験を行いました。

 

 

画像⑧はファントムの画像でFSET2強調画像です。

 

 

上段中央には生理食塩水で満たした試料ビンに結紮クリップを封入してありますが、かなりのアーチファクトが認められます!!他の実験でもあまり良くない結果が…

 

 

3テスラをお持ちの施設では使用しているクリップは念のため確認が必要かと思います。

 

 

ちなみに当院の運用では留置直後はMRI禁止とし、止血が出来ていると仮定する期間を一週間~10日として、その後は検査可能としています。

 

 

しかし腹部検査の場合は依頼する先生と協議するようにしています。

 

 

大概は見たい部位にクリッピングしているので、お勧めしていません。

 

 

 

 

 

最後に.

 

 

今回書き切れませんでしたが、検査直前で体内に不明金属が発覚した場合は基本的には検査をお断りしています。

*緊急検査は除きます。

 

 

中には了承をして頂けない先生もいらっしゃいますが、金属の素性を調べてから再度依頼をしてもらっています。

 

 

 

緊急検査の可否判断,体内金属の適応確認,MRI対応デバイス,1.5テスラが有利な検査など3テスラが1台しかないことで直面することはたくさんあります!

 

 

 

稼動して2年になりますが今のところ吸着事故は0件です。

 

 

記事を見て頂いた方で参考にして頂いたりアドバイスを頂いたりできれば幸いです。

 

 

では、失礼します。

 

 

 

 

いかがだったでしょうか?

 

同様な状況で頑張っている方も少なくないのではないでしょうか??

 

高磁場には良い所も多い反面、気をつけなければならないところも沢山あるということですね。

 

とても勉強になりました!!

 

今後もいろいろな施設の方のお話が聞けたら嬉しいです!!!

 

コミュニティの真骨頂という感じですね!!!

 

 

というわけでRTCも二年目に突入です!

 

本年もどうぞよろしくお願い致します。

 

失礼致します!