こんにちは!!
RTCです!!
今回は昨年検索ランキングが急上昇しました
『 画像処理について! 』の記事を再掲載したいと思います!!
一部リライトしております。
4月から新社会人になられた方々が検索しているのだと思います!!
RTCの推しテーマである画像処理を3部作でお送りします!!
画像処理と聞くとなんだか難しく感じるかもしれませんが安心してください!!
要点を解り易くご紹介いたします!!
以下。2019.9月の記事の再掲載です。※一部リライトです。
今回は画像処理と仲良くなろう!!という内容です!!
全3部作のパート1です!!
画像処理!デジタル!!と聞いただけで敬遠する方も多いので、そんな現状を打破するべく作ったお話です!!
あー、なんだいつもやってることじゃん、画像処理って言っていいの?なんて思ってもらえたら嬉しいです。
こちらのスライドは東部乳房画像勉強会で使用したものになります。
では、お話を進めていこうと思います!!!
※画質は臨床科の医師とよく話をして調整しましょう
※読影という表現が一部スライドに出てきますが、正確には医師の画像診断における行為です。この場合は、技師における読影補助という意味で使用しています。
まず。
各パラメーターの詳細などの説明はありません。笑
今回(その1)扱うのは、CRにおいて基礎中の基礎である、 『 S値 』 『 L(G)値 』 のみです!
S値、そしてL値(もしくはG値)がどんな役割をしていて、なぜ技師が知っておいて損が無いか?というお話です。
普段仕事中に使っている、もしくは見たことがある言葉だと思いますが、これらを画像処理という土俵で一緒に改めて考えてみましょう!!
そもそも画像処理とは何のためにあるのか??
それは、良い画質にする為です。
良い画質とは、役に立つクオリティということです。
役に立つということは、医師が診断し易い!!ということです。
つまり、病気を見つけ易くする、ということを念頭において使用するべきが画像処理といえます。
我々放射線技師の仕事は、医師が見る診療用の画像を、診断し易い画像として提供することです。
再現性よく安定した見やすい画像を提供する為に、撮影法やガイドラインといったコンセンサスのある考え方を利用して、診療用の画像を撮影するわけです。
そこでCRにおいてどのような被写体においても、画質が安定する為に用いられているソフトがこれです!
『 EDR (自動濃度安定化処理) 』!!!
S値とL値じゃねえじゃん?!と思った方、すみません。
少しだけお待ち下さい(汗)
この処理の出現が、デジタルCRが臨床に使われるようになった契機といってもいいのではないでしょうか?!
レントゲンがアナログ撮影、いわゆるフィルムスクリーン時代に働いてきてらっしゃる諸先輩方は皆さん画質に対してとてもシビアでした。
私も沢山怒られたイヤな記憶がありますね・・・。
しかしそれは微妙な撮影条件やポジショニングの差で、特に濃度の違いから画像の見易さがぜんっぜん違ったからです!
CR時代では考えられないかもしれません。
話を戻すと、EDRはすごく良い打率で濃度を適正な範囲に調整してくれます。
画像の濃度は、レントゲン画像の画質という観点から見て、非常に重要な要素であると考えてください!!
しかしEDRは完璧ではありません。(被写体、撮影条件、ポジショニング、照射野絞り、体内異物などの影響による)
つまり、技師が目視で濃度調整をしなければならないときがある、ということです。
ここでついに!!
我々がコントロールすべき値が、S値、そしてL(G)値なのです!!!
医師から見た技師の価値とは、いつどんなオーダーを出しても、見やすく診断し易い画像を常に出してくれる!というところにあります!!
だから専門職なのです!!
ならば病気を見つけ易くする画像処理は、私達を応援する味方であり、頼りになる武器なのです!!!
いよいよS値とL(G)値について触れます!
前置きが長いよと思われた方、その通りですスミマセン(汗)
S値、L(G)値はじめ、記号のようなアルファベットや数値は意味を感じにくく、気軽にいじれない原因となっています。
しかし難しく考えてはいけません。
S値とL値は、変化させたら分かり易く画像の見た目が変わるので、実際に使っているという方も多いことでしょう。
極論、僕らのやることは見た目を普通にすることといっても過言ではありません。
しかし、どこが見たいのか??が間違っていては、画像の見た目が真っ白(もしくは真っ黒)になってしまうこともあります。
胸部(肺)や乳房の画像にKUB(腹部)のパラメーターで表示させたら何にもわかりません。(スライド参照)
そこで!!!
デジタルデータをグラフにしたものを 『 ヒストグラム 』 といいますが、そのグラフを良く見ると・・・。
胸部(肺)の画像のグラフ内の、どこが肺のデータで、どこが縦隔のデータで、どこが骨のデータなのかが分かっちゃうんです!!!
素晴らしきかなデジタルライフ。
目的の部位のデータ、つまり胸部(肺)の場合は肺のデータを中心にして画像処理をかける、といったことが可能なわけです!!
さらにいえば、必要ない部分(目的とかけ離れた部位、体内異物など)は無視して画像を作れるわけです!!
ちなみにCRの機器はEDR含め、これらを一瞬でやっています。
値の役割は簡単に言うと以下のような感じです。(イメージや感覚が大事です)
S値 → 目的の部位のデータの位置
L(G)値 → 目的の部位のデータの長さ
どういうことかというと、
S値 → ヒストグラム上で中心を何処にするか?
L(G)値 → ヒストグラム上で使用するデータの幅はいくらか?
大根おろしで言えば、(笑)
S値 → どの辺の味(部位)を目的とするか(甘めの大根おろし or 辛目の大根おろし)
L値 → 大根の幅(おろしの量)はどのくらい必要か
※大根は根元と先端で風味が違うのです!!
こんな感じで説明してみましたが、なんとなく伝わったでしょうか??笑
もちろんポジショニングや関心領域(ROI)のとり方によって、ヒストグラムは変わるので処理もそれに合わせて自ずと変わります。
見やすい濃度かどうかは中心が合っているかどうか。
一方データの幅は必要なデータの取りこぼしが無いか、に関係しています。
処理自体が何をやっているかを理解すれば、S値とL(G)値を変更することに自信を持って臨めるはずです!!!
本当にいよいよS値とL(G)値を変化させたらどうなるか?です!!
S値をいじるときはどんなときか?
それは見た目が白い、もしくは黒いときです!!
L(G)値をいじるときはどんなときか?
それは見た目が軟い(コントラストが無い)とき、もしくは硬い(コントラストが強すぎる or ラチチュードが狭すぎる)ときです!!
いずれの場合も、白飛び、黒飛びなどしてしまって、目的のもの(スライドで言う第五腰椎、棘突起など)が表現できてないときに使用することが多いと思います。
なんだ簡単で大した事ではないじゃないか、と思うかも知れません。
しかし毎日沢山の画像を撮影していく中で、いつも同じクオリティを出すというときにこれほど役立つ処理はありません!!
極論、臨床では見た目の見易さで判断を迫られています。
これらは事実上、技師の責任の上で 『 画像処理 』 を決定しているということに他ならないからです。
検査の目的を理解し、撮影した画像が検査の責任を果たせているかを判断し、恒常的に医師に見やすい画像を提供する。
これらを画像処理を日常的に利用して行っているのが私達の仕事、というわけです。
※もちろん医師と話しをしながら基準を決定します
なんだ、いつもやっていることじゃん。
そうです。
きっと皆さんがいつもやっている画像処理です。
画像処理って聞くとなんだか難しそうな感じがしますが、我々技師にとって画像処理は常にそこにいてくれる優れた相棒なんです!!
意識してもっと活用していけたらいいですね!!
画像処理と仲良くなりましょう!!!
※補足
画像処理の中には、GAやGSといったコントラストや濃度をコントロールするパラメーターが存在します。これらを調整することでも見た目を今回と同様な感じに見やすくすることは可能です。しかし使用している元データは同じですから、デジタルデータを有効に利用するといった観点からすると、まずS値やL(G)値を使用して画像を調整することをお勧めします。必要なデータがヒストグラム上で選択されていないと、後でどんなに処理をいじっても表現することは出来なくなります。そしてなにより基礎的なことを意識して継続することが大切だからです。
いかがだったでしょうか?
その1(S値とL(G)値)はここまでです。
次回は詳細処理(MPFとDRC)に迫って行きたいと思います!!
画像処理がどんなやつで、どんな風に役に立っているのかを知ってもらいたいです!!
デジタルシリーズは私の推しメンなのですが、実は勉強会ではあまり人気がありません・・・(涙)
この現実に負けず、推し続けていきたいと思っています・・・。
世のデジタル嫌いな方たちにデジタルを好きになってもらうべく、これからも活動していきます!!!
追伸、
味方になってくれる人を大募集中です(笑)
よろしければ続きの記事もご覧ください!!
パート2はこちら!!
『 画像処理と仲良くなろう その2 ~ 周波数処理とダイナミックレンジ圧縮 ~ 』
パート3完結編はこちら!!
『 画像処理と仲良くなろう その3 ~ 症例から見る画像処理の恩恵 ~ 』
※繰り返しですが、画質は臨床科の医師とよく話をして調整しましょう
※読影という表現が一部スライドに出てきますが、正確には医師の画像診断における行為です。この場合は、技師における読影補助という意味で使用しています。
コメントをお書きください
新人診療放射線技師 (金曜日, 03 4月 2020 22:22)
画像処理について興味があり、メール送らせていただきます。画像処理等に詳しく勉強したいため、医療画像情報精度管理技師の資格勉強をしたいと思っています。
この資格はどのようにすれば資格取得できますか?
e-ラーニング等しなければならないと聞きましたが、、、
ご教授お願いいたします。
管理人 (土曜日, 18 4月 2020 15:34)
新人診療放射線技師 さんこんにちは!
返信遅くなってすみません。
管理人です!
ブログを読んでくださってありがとうございます!
’’’’画像処理について興味があり、メール送らせていただきます。画像処理等に詳しく勉強したいため、医療画像情報精度管理技師の資格勉強をしたいと思っています。この資格はどのようにすれば資格取得できますか?
e-ラーニング等しなければならないと聞きましたが、、、ご教授お願いいたします。 ’’’’
上記の質問内容ですが。
以下、日本放射線技師会のホームページより。
http://www.jart.jp/activity/lifelong_study/ninteishiken.html
放射線機器管理士、放射線管理士、医療画像情報精度管理士の認定試験は年に2回、8月下旬と1月下旬に開催しています。日程の詳細は決まり次第、ニュース・お知らせに掲載します。受験を希望する方はJART情報システムにログインしお申し込みいただく必要があります。各認定講習会とは別にお申し込みいただく必要がありますので、ご注意ください。
試験について
試験の実施概要は以下のとおりです。
試験時間 90分
回答形式 マークシートによる択一式
問題数 90問
注意事項 試験時、筆記用具以外の持ち込みは不可
受験料 1科目20,000円 ただし、会員は10,000円
受験資格 直前の医療画像情報精度管理士,放射線管理士,放射線機器管理士講習修了者
お申し込み方法
JART情報システムからお申し込みください。
お申し込み後,本会より受講料払込用紙をお送り致しますので、払い込みください.
上記のような感じです!
私も管理士系の資格は一通り持っています。
ですが 医療画像情報精度管理士は主にネットワークなど情報技術系のお話になります。
ですから画像処理の勉強を!と思っている方には向かないかもしれませんね。
そのための資格というのは思い当たりませんので、ネットで『画像処理、放射線技師』などと検索して論文や資料などを読み漁るところから始めるといいかもしれません。
画像工学という分野を勉強してみるのもいいですよ!!
まだ新人さんということですから、焦らずがんばってください!!
やればやっただけ面白くなると思いますよ!!
コメントありがとうございました!!
またお気軽にどうぞ!!!
新米技師 (月曜日, 04 1月 2021 17:26)
S値はウインドウレベル、G値はウインドウ幅ということでしょうか?
RTC管理人 (月曜日, 04 1月 2021 23:40)
コメントありがとうございます!!
S値はWL、G(L)値はWW、という感覚はその通りです!!
臨床で画像を見る際にほぼ同義語と言ってもいいでしょう。
厳密には若干違いますが、用途から逆算することが大事なのでOKだと思います!!
元々あるデータ!!の中の何処にフォーカスして見やすい画像にするかを、コントロールすることが画像処理です!!!醍醐味!!