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【CT読影を利用した初期教育】解剖生理の知識を効率よくつける方法

 

こんばんは!

 

今回はCT画像を用いた初期教育についてご紹介します!

 

この記事は約2年前に書いた記事のVer. Up再掲載です!!

 

この春、新たに社会に出る新人放射線技師さんたちの参考にあればと思います!

 

一般撮影などでも『 撮影した画像を自らが評価する 』ということの大切さは同じです!!

 

そのなかでもCTは初期教育に向いています。

 

ではご紹介させていただきます!

 

 

 

私の施設では若い世代の技師に対し初期教育として、『CT症例トレーニング』を行っています。

 

このトレーニングの目的は、

 

・ 画像から情報を得るということに慣れる

 

・ 解剖生理を覚える

 

ズバリこの2点です!!

 

これらについてご紹介させていただこうと思います。

 

 

 

 

 

 

 

画像から情報を得るトレーニングは初期からやることをお勧めします!

 

なぜなら効率よく知識をつけることが出来るからです。

 

新人の頃に戻って考えてみてください。

 

最初から画像が読めましたか?

 

現在の自分に画像から情報を得る力があるとしたら、当時の自分よりも何を持っているからですか?

 

それは具体的になんですか?

 

 

 

それは・・・、『解剖生理の知識』です!!!

 

 

 

解剖生理の知識が無ければ画像から情報を引き出すことは出来ません。

 

画像から情報を引き出すこと、それこそが読影するということです!!

 

私がお世話になっている理学療法士の先生は、画像診断がお仕事でないのにもかかわらず、MRIの画像からたくさんの情報を引き出すことが出来ます。

 

それは細かい解剖生理の知識を、非常に高いレベルでお持ちだからです。

 

解剖生理の知識があれば画像から情報を得ことは可能、ということがわかります。

 

逆に解剖生理の知識がないと、例えば所見が見えているのに脳はそれを認識できません。

 

 

 

以上から、この初期教育の狙いは・・・、

 

 

 

『 撮影した画像を自らが評価する 』 → 解らない!に気づく → 解説聞く → 解剖生理などの知識つく

 

 

 

つまり画像評価と解剖生理の知識をつけるトレーニングは同時に進んでいくのです。

 

画像から情報を得るということを軸に知識をつけていくことは、体験を経ているので非常に効率良く覚えることができます。

 

いわゆる暗記ではないからです。

 

すると知識は次第に自分のものになって、少しずついろいろが上手く出来るようになっていきます。

 

画像から情報を得るという特殊な行為に関しての思考プロセスが、各個人の中に少しずつ出来上がっていくのです。

 

 

 

 

 

 

なぜこのトレーニングを行うのか?

 

それは『 撮影した画像を自らが評価する 』ことが、私達の最も重要な仕事の一つだからです。

 

いやいや撮影でしょ?と思うかもしれませんが、画像を評価することと撮影することとは表裏一体なのです。

 

診断は医師の仕事ですが、そのための画像を評価し適正にすることは師の仕事です。

 

撮影した画像を評価できなければ、その画像の良し悪しを判断することが出来ません。

 

評価が出来なければ、改善することが出来ません。

 

撮影方法は正しかったのか?

 

線量は足りていたのか?

 

コントラストは良かったのか?

 

などなど。

 

撮影するということは画像を作ること。

 

作るということは質をコントロールするということ。

 

どんな症例がきても、恒常的に高い質と打率を出せるから我々は専門職なのです。

 

 

 

 

 

私の施設では見直したい症例データにPACS上でタグをつけています。

 

これにより誰でもいつでも教育的な症例を閲覧できるようになります。

 

付けられた症例タグは放射線技師によって見直され、読影結果と照らした合わせた上で教育に使用します。

 

教育に適した症例を、レベルやケースを考慮してリストに起こし、それを設問として若い技師に与えます。

 

一人10~20問を数人で2~4週間かけて答えを出させます。

 

2年目から5年目くらいの技師が対象です。

 

仲間で教えあっても良いし、先輩技師にヒントを聞いても良いことにしています。

 

なぜなら先輩技師たちの勉強にもなって一石二鳥だからです。

 

ただし読影結果を見るのと、先輩が答えを教えるのは無しです。

 

 

 

期限が来たら答え合わせです。

 

参加者全員で画像を見ながら、若い技師が症例の画像を評価し回答とし、そのあと主任技師が解説を行います。

 

症例によっては回答にたどり着かない時もあります。

 

そのときは助言しながら画像から情報を引きだすということを何度も繰り返し教えます。

 

解説にはそこそこ時間がかかるので、気長に何回かに分けて行います。

 

はっきりいって教わる若者技師たちにも、教える主任技師にもかなりの修行です(笑)

 

ですが確実に効果があるので、負けずに定期的に行っています。

 

継続は力なりとはよく言ったもので、最初の数年でそこそこの力が付きますよ!!

 

 

 

 

 

いかがだったでしょうか?!

 

CTは解剖生理を理解しやすいのでMRよりも初期教育に導入しやすいと考えています。

 

当直や夜間当番にも必要ですしね!

 

症例タグのデータベースは便利なので、レントゲンやMRの教育にも使用しています。

 

こちらはクイズ形式にしたりすると盛り上がりますよ!

 

一問一答を繰り返す!

 

これに慣れることこそ『 撮影した画像を自らが評価する 』トレーニンングです!!

 

暇があれば症例検討!!

 

是非お試しください!!