こんばんわ。
今回は血管造影室の、特に心臓アブレーション時における遮蔽についてご紹介します。
透視時間が長くなることが多い検査では、術者に対する遮蔽はとても大切です。
遮蔽の有無で術者の被ばく線量はずいぶん変わります。
各施設によって様々な工夫があるかとは思いますが、立派な遮蔽板や遮蔽具は無い!もしくは足りない!という施設が少なくないのではないでしょうか?!
私の施設で採用している自作の遮蔽板をご紹介します!
市販されている遮蔽板ははっきり言って高いです。
ですから作りました。
画像のようにハンガー掛けに古くなったプロテクターを2枚着せて!
これだけです。
ですがプロテクター1枚が0.25mmPb相当なので、中央で0.5、重なっているところで最大1.0mmPb相当です!
なかなかです!
心配なら3枚か4枚にしましょう!
これを覆布で包んで術者と側面アームの間に置きます。
これだけで術者側の散乱線は激減です!
患者さんの頭側から見るとこんな感じです。
最初の画像はドア1枚分くらいの遮蔽板(当院唯一の立派なやつ)を管球側にべた付けです。
次の画像は逆側で、少し控えめ遮蔽になっています。
この場所には点滴やMEさんの機械が来ることがあるので、話し合ってこうなっています。
カートに遮蔽カーテン(昔の機械の残骸)を掛けただけのものを、管球にべた付けです。
この様に管球側にアイソレーションを行うのが、一番効率の良い遮蔽方法だと考えています。
遮蔽の効果をどうやって確かめたかというと。
これです。
MYDOSE Mini (日立アロカ製)です!!
これはロングセラー商品で、価格も安く使いやすいです。(中古なら数千円かも)
東日本大震災の際に品薄になり、売っているメーカーさんも困っていました。
そのせいか数年してオークションにも結構出てました。
これは積算線量だけでなく線量率も測れるので、検査中のモニタリングにも使用できます。
どの場所の線量率が高いのか?どの遮蔽に効果があるのか?がある程度わかります。
もちろんこの機器自体や測定方法が、どの程度の精度で測定できているかは保障できません。
しかし効果の有無の確認という意味では、簡便でわかりやすく、どの施設でも行えるのではないかと考えています。
つまり特別な線量計が無くとも、遮蔽によって被ばくが減った!という事実を、安価で簡易にもたらすことが出来ますと思います!
いかがでしたでしょうか?!
無いものを数えず、ある物もしくは安価な物で代用して効果を得る!!
ある意味腕の見せ所、放射線技師の醍醐味ではないでしょうか?!
完璧とは言えなくても、施設や環境に沿った、今できることを探していきたいと思います。
参考にしていただけたら幸いです!
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